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50代からの「学び直し」は“仕事のため”だけじゃない。シニアの本音から見えた「無理しない」スキルアップ術

50代からの「学び直し」は“仕事のため”だけじゃない。シニアの本音から見えた「無理しない」スキルアップ術

定年延長や再雇用など、ひと昔前に比べて「現役」として過ごす期間がぐっと長くなりました。 社会では「リスキリング(学び直し)」や「スキルアップ」が推奨されていますが、「長く働くために勉強しなさい」と言われているようで、少しプレッシャーを感じてしまうことはありませんか?

「新しいことを覚えたい気持ちはあるけれど、体力が続くか心配」「今さら若い人と競って勉強するのは気が引ける」——。そんなふうに、期待と不安の入り混じった思いを抱えている方も多いはずです。

50代以上の6,238名の声からは、世間で言われている「バリバリ勉強してキャリアアップ」というイメージとは少し違う、シニア世代ならではの「等身大の学び」が見えてきました。

 

■意外? 納得? 学びの目的は「仕事」よりも「人生の充実」へ

まず、「どのような分野に興味があるか」を聞いてみたところ、現役バリバリの若年層とは異なる傾向がはっきりと出ました。
最も多かったのは「趣味・教養」で1,509人。次いで「IT・デジタルスキル」が1,211人、「語学」が1,126人と続きます。一方で、「経営・マネジメント」や「昇進のためのスキル」に関心がある人は少数派でした。

ここから見えてくるのは、「仕事の評価を上げるため」よりも、「人生を豊かにするため」、あるいは「急速なデジタル化に置いていかれないため」に学びたいというシニアの本音です。

社会のデジタル化が進み、「スマホが使えないと生活が不便」「セルフレジや新しい手続きが不安」といった切実な課題を抱える方が増えています。そのため、プログラミングなどの専門職を目指すようなハードな学習ではなく、日々の生活を守り、楽しむための「実用的なITスキル」や「知的好奇心を満たす教養」に注目が集まっていると考えられます。

Q.  「学び直し・スキルアップ」を行う場合、どのような分野に興味がありますか? 

■お金や時間だけじゃない。シニアの学びを阻む「記憶力と体力」の壁

「関心はあるけれど、一歩踏み出せない」。その理由を聞くと、やはりトップ2は「費用(2,370人)」と「時間(1,491人)」でした。しかし、シニア世代の回答には、それらに次ぐ切実な「第3・第4の壁」が存在していました。

それは、3位の「習得への不安」と4位の「体力的な不安」です。「昔に比べて記憶力が落ちて覚えられない」「老眼でテキストを読むのが辛い」「集中力が続かない」といった、身体的な変化が大きなハードルになっています。
しかし、ここで諦める必要はありません。アンケートでは「望ましい学習方法」として、対面式のスクールよりも「オンライン講座(動画視聴など)」や「独学」を選ぶ人が多い結果となりました。

動画であれば、文字を読む負担が少なく、聞き逃しても何度でも再生できます。また、自宅で自分の体調が良い時にだけ取り組めるため、体力に自信がない方でも続けやすいというメリットがあります。「覚えられないなら、何度でも見ればいい」と割り切り、自分のペースで学べるスタイルを選ぶことが、シニアの学びを成功させるコツと言えそうです。

Q. 前問(上記設問)で選択した「学び直し・スキルアップ」を行う場合に妨げとなる課題・不安は何ですか?

■目指すは「ゆるやかな社会参加」。無理に「現役並み」を目指さなくていい

苦労してスキルアップした後、皆さんはどうしたいと考えているのでしょうか。
アンケート結果を見ると、「可能な限りフルタイムで働きたい(764人)」という人よりも、「趣味や地域活動に活かしたい(1,038人)」や「専門性を活かし、短時間・柔軟な働き方をしたい(845人)」という回答が上回りました。

シニア世代にとっての「学び直し」のゴールは、必ずしも「再就職」や「高収入」だけではありません。ボランティア活動で知識を役立てたり、週数回のパートタイムで無理なく働いたりといった、「社会との程よいつながり」を求めている方が多いようです。

「ガッツリ働かなければならない」というプレッシャーを感じる必要はありません。
アンケートの自由回答でも、「日常の生活を楽しむために学びたい」「認知力低下の予防になればいい」といった声が多く寄せられました。まずは肩の力を抜いて、動画サイトで歴史の動画を見てみる、スマホの新しい機能を一つ覚えてみる。そんな小さな「楽しみ」から始めてみてはいかがでしょうか。

Q. スキルアップや学び直しを経た上で、今後(リタイア後を含む)どのように働きたい(社会と関わりたい)ですか?

学びは、人生の午後を彩る「ご褒美」であってい

今回のアンケートを通じて見えてきたのは、シニア世代の学びが「生き残るための手段」ではなく、「人生をより豊かに、幸せにするためのエッセンス」へと変化している姿です。

若い頃の勉強は、成績や昇進といった「結果」を求められるものでした。 しかし、50代からの学びはもっと自由です。 「知らなかったことを知る喜び」や「昨日できなかったことが今日できるようになる嬉しさ」。そんな純粋なワクワク感こそが、私たちの毎日を鮮やかに彩ってくれるはずです。

もし「何を学べばいいかわからない」と迷っているなら、まずは自分の心が少しでも弾むものを探してみるのはいかがでしょう。 興味のある分野の動画を一つ見るだけでも、図書館で懐かしい本を手に取るだけでも立派なスタートです。その小さな一歩が、新しい仲間との出会いや、穏やかで充実したセカンドライフへと繋がっていくことでしょう。

無理せず、焦らず、楽しみながら。「今日より明日が少し楽しくなる」。そんな学び直しを、あなたも始めてみませんか?

調査テーマ:
学び直し・スキルアップに関するアンケート
調査方法:
インターネット調査
調査期間:
2025年11月27日~29日
調査対象:
全国の50代以上
有効回答者数:
6,238人

※本調査は、当社が運営するポイントサイト「Gポイント」の会員を対象に実施しました。

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『HajiQto(はじくと)』は、シニアのリアルな声(インサイト)を収集・分析し、企業の製品・サービス開発を支援するリサーチプラットフォームを目指しており、今回の調査も、その構想の一環として実施しました。
ジー・プラン株式会社は、シニア層の真のニーズを社会へ届けることで、誰もが安心して暮らせる未来の実現に貢献してまいります。

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本記事の調査は、Gポイントの会員を対象にしたインターネット調査です。