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「便利」と「不安」の狭間で。シニアのデジタル決済は「ポイ活」と「セキュリティ」がキーワード

「便利」と「不安」の狭間で。シニアのデジタル決済は「ポイ活」と「セキュリティ」がキーワード

スーパーやコンビニのレジで、スマートフォンやカードをかざす光景は、もはや若者だけのものではありません。

50代以上を対象に行ったアンケートによると、65歳以上のシニア世代においても、現金よりも「デジタル決済」を多く利用する人が6割を超える結果となりました。しかし、その背景には「お得だから」というポジティブな理由だけでなく、「現金の管理が億劫になってきた」という身体的な変化や、「不正利用が怖い」という切実な悩みも見え隠れします。

シニア世代がどのようにデジタル決済と向き合い、どんな対策を講じているのか。その実態を紐解きます。

現金派はもう少数? シニアがキャッシュレスを選ぶ「切実な理由」

「普段の買い物で、現金とそれ以外、どちらを多く使いますか?」という質問に対し、「現金以外の方が多い(ほとんど含む)」と回答した人は、65歳以上で6割以上(62.2%)に達しました。もはや65歳以上のシニア世代にとっても、キャッシュレスは当たり前のインフラとなっています。
なぜ、そこまで浸透したのでしょうか。利用する理由の第1位は圧倒的多数で「ポイントやマイルが貯まるから(42.0%)」でした。物価高が続く中、年金や限られた資産で生活するシニアにとって、ポイント還元は少しでも生活を防衛するための「賢い知恵」です。

しかし、注目すべきは2位と3位の理由です。「支払いがスピーディー(22.4%)」「現金を持ち歩かなくて良い(21.1%)」という回答には、シニアならではの身体的・環境的な変化が関係しています。
「小銭を数えるのが面倒になった」「ATMまで行くのが体力的にしんどい、手数料ももったいない」。加齢に伴う視力や指先の変化、体力の低下を補う手段として、デジタル決済が選ばれていると考えられます。

Q. 現金以外の決済方法を利用する一番の理由は何ですか?(65歳以上)

■「PayPayを使ってみたいが…」立ちはだかるデジタルの壁

利用が進む一方で、「本当は使いたいけれど、使い方がわからず使えていない」サービスもあります。その筆頭が「PayPay(QRコード決済)」です。

クレジットカードや交通系ICカードのような「タッチするだけ」の直感的な操作に比べ、スマホアプリを立ち上げ、画面を操作する必要があるQR決済は、ハードルが高く感じられるようです。

「お得なのは知っているし、街で見かけるけれど、レジでもたついたら申し訳ない」。そんな心理的なブレーキがかかっている様子がうかがえます。

Q. 本当は利用したいのだが、やり方がよくわからずに使えない「現金以外の決済方法」をすべて選んでください。(65歳以上・複数回答)

■最大の敵は「見えない不安」。不正利用と使いすぎへの対策

65歳以上のシニア世代が感じる、デジタル決済における最大の課題は、何といってもセキュリティです。利用上の不安を聞いたところ、「セキュリティ(不正利用・情報漏洩)が不安」と回答した人が1,584人と突出してトップ。次いで「使いすぎが心配(659人)」となりました。
目に見えないお金だからこそ、「いつの間にか盗まれていたら」「知らぬ間に予算オーバーしていたら」という恐怖は、若年層以上に深刻です。この課題に対し、シニア世代はどのような対策をとっているのでしょうか。

多くの人が実践しているのは「利用したらメールや通知が来るように設定(595人)」や「利用履歴の頻繁な確認(549人)」といった「自己管理の徹底」です。「利用後はきちんと自分の目で確かめる」。アナログですが、これが最も確実な安全策として定着しています。

一方で、操作や設定で困ったときの「頼り先」には、この世代ならではの特徴が見られました。 65歳以上では「お店の人に聞く」という回答が18.1%に上ります。これは65歳未満(8.3%)と比較すると2倍以上の数値です。
家族と離れて暮らしていたり、子供に聞くのは気が引けるというシニアにとって、対面で教えてくれる店舗スタッフは、デジタル社会を生き抜くための重要なライフラインとなっているのです。

Q. 現金以外の決済方法を利用する上で、不安や難しさ、面倒だと感じることは何ですか?(65歳以上・複数回答)

「便利」を享受するために、「防御力」を高める

今回のアンケートからは、ポイント活用で家計を守り、キャッシュレスで身体的負担を減らす「攻め」の姿勢と、セキュリティや使いすぎを警戒する「守り」の姿勢、その両方を持ち合わせたシニアの姿が見えてきました。

デジタル決済は、うまく使えば「老後の生活を楽にする杖」になります。
「通知設定をオンにする」「わからないことは恥ずかしがらずにお店で聞く」「履歴はこまめにチェックする」。こうした小さな「防御」の積み重ねこそが、デジタル化が進む社会で、安心して豊かに暮らすための鍵となるでしょう。

調査テーマ:
デジタル決済に関するアンケート
調査方法:
インターネット調査
調査期間:
2025年11月29日~12月1日
調査対象:
全国の50代以上
有効回答者数:
6,498人(うち65歳以上:2,762人、65歳未満:3,736人)

※本調査は、当社が運営するポイントサイト「Gポイント」の会員を対象に実施しました。

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ジー・プラン株式会社は、ポイントサイト『Gポイント』の運営で培ったノウハウを活かし、シニア層に特化したリサーチサービス『HajiQto(はじくと)』を開発しています。
『HajiQto(はじくと)』は、シニアのリアルな声(インサイト)を収集・分析し、企業の製品・サービス開発を支援するリサーチプラットフォームを目指しており、今回の調査も、その構想の一環として実施しました。
ジー・プラン株式会社は、シニア層の真のニーズを社会へ届けることで、誰もが安心して暮らせる未来の実現に貢献してまいります。

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本記事の調査は、Gポイントの会員を対象にしたインターネット調査です。