
若い頃は、年末といえば何十枚、何百枚もの年賀状書きやお歳暮の手配を「当たり前」のようにこなしていた。 しかし、年齢を重ねるにつれてそのルーティンが負担になり、毎年の義理・人付き合いに疲弊してしまっている。そういう方は少なくありません。
昨今の物価高や、自身の加齢を背景に、シニア世代の年末年始の習慣は大きく様変わりしています。 50代以上の方を対象に実施した「年末年始の習慣と意識に関するアンケート」からは、慣習にとらわれず、自分たちの生活を守りながら、相手への配慮も忘れない、シニア世代の「思いやりのある選択」が見えてきました。
■約半数が「年賀状」を削減。理由は「節約」と「相手への気遣い」
ここ数年(コロナ禍以降)でやめたり減らしたりした習慣について聞いたところ、最も多かったのは「年賀状(3,698人)」で、次いで「お歳暮(2,048人)」となりました。回答者の約半数が、かつての当たり前だった「紙の挨拶」を見直しています。
なぜ、これまでの習慣を変えるのか。その理由(きっかけ)としてトップに挙がったのは「物価高や年金生活による『金銭的な節約』のため(1,927人)」でした。やはりインフレ(またはスタグフレーション)による家計への影響は無視できないようです。
続いて多かったのが「高齢になり、手配や準備が『体力的・精神的に辛くなった』ため(1,027人)」ですが、注目すべきは3番目の「相手の負担(お返しの気遣い等)を考慮したため(990人)」です。シニアにとっての「贈る習慣の見直し」は、単なる「面倒くさい」や「お金がない」という自分の都合による理由だけではありません。「自分が贈ることで、相手にお返しの気を遣わせてしまうのではないか」という、相互の負担軽減を願う「思いやり」が、習慣を変える大きな後押しとなっていることがわかります。
Q. 年末年始の「贈る習慣」を見直す(やめる・減らす・変える)際、あなたにとって最大の理由・きっかけとなる(であろう)ものは?
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■浮いた予算の使い道は? 「義理」から「食」へのシフト
では、義理のやり取りを減らして浮いたお金や時間は、どこへ向かうのでしょうか。
使い道として圧倒的1位だったのは「日々の食費や光熱費の補填(1,752人)」でした。ここにも物価高に対する生活防衛の意識が色濃く反映されています。
一方で、ポジティブな使い道として注目したいのが、「ここにはお金をかけても良い」と思うものとして選ばれた「家族や気心が知れた友人との美味しい食事(2,695人)」です。形式的な「ハガキや品物のやり取り(モノ)」は減らしつつも、本当に大切な人と直接会って過ごす「食事や時間(コト)」には投資を惜しまない。「広く浅い付き合い」から「狭く深い付き合い」へ。 シニア世代の価値観が、より本質的な幸福へとシフトしている様子がうかがえます。
Q. 年末年始の出費において、以下の中で「ここにはお金をかけても良い(かける価値がある)」と思うものは?(複数回答)
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■角を立てずにどう辞める? 7,000人の回答から見えた「3つの行動トレンド」
習慣をやめたいけれど、「相手に失礼ではないか」と悩み、踏み切れない方も多いはずです。人間関係の角を立てずに、年賀状やお歳暮などの贈る習慣を「じまい(終了)」するために、実践している工夫や、断る際の決め文句について伺ったところ、50代以上の世代が実践している「じまい(終了)」の方法は、大きく3つのパターンに分類できることがわかりました。
1. 宣言なしの「自然消滅(フェードアウト)」派
自由回答の中で目立ったのが、「特に何も言わずにやめる」「自然に任せる」というスタンスです。具体的には「自分からは出さず、来た人にだけ返す」という方法を数年続け、徐々に減らしていくという現実的な対応が多く見られました。
「わざわざ『やめます』と宣言するのも角が立つ」「相手もやめ時を探っているかもしれない」という心理から、あえて形式的な手続きを踏まず、阿吽の呼吸で関係を整理していく傾向があります。
2. 「年齢」や「節目」を理由に理解を求める派
明確に終了を伝える層では、「高齢」や「定年」という「不可抗力の事実」を理由にするケースが大半を占めました。
「個人的に嫌いになったわけではない」ことを示すために、「寄る年波」「視力の低下」「定年退職」といった、誰にでも訪れるライフステージの変化を理由に挙げることで、相手の心情に配慮しながら納得感を得ているようです。
3. 「デジタル移行」による関係維持派
関係を断つのではなく、手段を「アナログ」から「デジタル」へ切り替える動きも活発です。
特に親しい友人や子供世代に対しては、「今後はLINEやメールで」と伝達手段の変更を提案することで、コストと手間を削減しつつ、つながりは維持するという合理的な解決策を選択しています。
この変化は決して「縁切り」ではなく、「今のライフスタイルに合わせたコミュニケーションへの最適化」であると言えます。
無理をして続けるより、お互いが楽になる選択を
今回の調査で浮き彫りになったのは、50代以上の世代が抱える「物価高」と「加齢による負担」という2つの課題に対し、慣習の断捨離という形で合理的に対処しようとする姿です。
しかしそこには、単に自身の金銭的・体力的・精神的な負担を減らすためだけでなく、「相手に余計な気を遣わせたくない」「お互いに無理のない形でお付き合いを続けたい」という温かい合理性がありました。
義理や義務感で消耗していた時間やお金、気力を、これからは「本当に大切な人との団らん」に充てることこそが、これからのシニアライフを豊かに過ごすための秘訣と言えるでしょう。
- 調査テーマ:
- 年末年始の贈る習慣とお金に関するアンケート
- 調査方法:
- インターネット調査
- 調査期間:
- 2025年12月24日~12月26日
- 調査対象:
- 全国の50代以上
- 有効回答者数:
- 7,349人
※本調査は、当社が運営するポイントサイト「Gポイント」の会員を対象に実施しました。
※調査対象者の特性上、一般層と比較し、スマートフォンの操作やアプリ利用への抵抗が少なく、ポイントサービス(ポイ活)への関心が高い層の回答が中心である可能性にご留意ください。