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50代以上の社会的フレイル調査:一人時間の重視と人間関係の負担が参加阻害要因に。カギはオンラインでの“緩やかな関わり”

50代以上の社会的フレイル調査:一人時間の重視と人間関係の負担が参加阻害要因に。カギはオンラインでの“緩やかな関わり”

近年、心身の活力が低下する「フレイル」(虚弱)のうち、社会とのつながりが希薄化する「社会的フレイル」が健康リスクとして注目されています。50代以上の方を対象に「人や社会とのつながりに関する調査」を実施したところ、過半数が社会活動に消極的であり、その背景には「一人の時間を大切にしたい」という志向と、「人間関係における負担を避けたい」という本音があることが明らかになりました。社会的フレイルの予防には、従来の“地域参加”の呼びかけだけでなく、こうした意識に寄り添った新たなアプローチが求められることが示唆されました。

健康寿命延伸の観点から、社会的な孤立を防ぎ「社会的フレイル」を予防すること、すなわち、人や社会とのつながりを持ち続ける重要性が高まっています。しかし、地域活動など伝統的な社会参加のスタイルは、必ずしも一般的とはいえません。
本調査では、50代以上(ミドルシニア・シニア世代)が人や社会とのつながりについてどのような意識を持っているのか、参加に踏み出せない理由は何か、その実態と深層を把握することを目的に実施しました。

■ 社会活動への参加意欲は“消極派”が過半数

今後の社会活動への参加意欲については、「ない」(2,449件)、「どちらかといえばない」(2,279件)が合計4,728件となり、過半数を占めました。
一方、「活動内容による」と回答した人も2,107件と多く、活動の種類や形式次第で参加意欲が高まる“潜在的参加層”が存在することが示されました。
また現在、地域活動や趣味のサークルなど(仕事・家事を除く)社会活動に「参加している」人は2,243件にとどまり、「参加していない」(8,371件)が多数派でした。

■ 意欲がわかない最大の理由は「人間関係の負担」と「一人時間の重視」

社会活動への参加意欲がわかない理由として、回答者が強く意識しているのは 人間関係に関する負担 と 個人的な時間配分 の問題でした。

Q. 社会活動の参加に意欲がわかない理由は何ですか?(複数回答)

一人で過ごす時間を大切にしたい:2,096件
人間関係を広げることに煩わしさを感じる:1,835件
人に気を遣って行動するのが億劫:1,606件

また、新しい活動の場に飛び込むことに対して「気後れを感じる」(354件)、「どちらかといえば感じる」(906件)が合計1,260件となり、「既に参加している人との関係性構築が不安」(230件+692件)と合わせると、人間関係が心理的障壁となっている実態が浮き彫りになりました。

■ オンライン活動は“未開拓”が大半。情報提供と柔軟性が鍵

SNSやオンライン会議システムを用いた活動(講座・コミュニティ等)を「したことがある」と回答した人は1,503件にとどまり、大半(9,111件)が未経験でした。
一方、今後のオンラインでの社会活動への参加意欲については、「いいえ」(5,999件)が最も多かったものの、「わからない」と回答した人が3,512件おり、情報提供次第で参加意欲が変動し得る可能性が示唆されました。

■ 求められるオンライン活動の形態:リアルタイムより“非同期”

Q. オンラインでの社会活動に参加するとしたら、どのような「参加形態」に興味がありますか?(複数回答)

掲示板・フォーラムなど、都合のよい時間に閲覧・書き込みできる活動:1,534件
SNS(LINEグループなど)によるチャット形式での交流:861件
オンライン会議システムを使ったリアルタイムでの会話・講座:749件
特に興味のある形態はない:2,252件

「掲示板・フォーラム」がリアルタイム講座を大きく上回り、時間的・心理的負担の少ない“非同期コミュニケーション”が好まれる傾向が明らかになりました。
また、興味がない最大の理由として、後述の「情報不足」が強く影響していると考えられます。

■ オンライン活動のメリット:重視されるのは“自由度”

Q. オンライン活動のメリットとして、重要だと思えるものを選んでください。

オンライン活動のメリットとして重要視されたのは以下の2点でした。
時間を自由に選べ、短時間でも参加できる:1,800件(39.0%)
自宅から参加でき、移動の負担がない:1,701件(36.9%)

“時間・場所に縛られない柔軟性”が、参加を後押しする要因となっていることがわかりました。

■ 最も興味を持たれているオンライン活動内容は「学び」

Q. オンラインで社会活動に参加できるとしたら、どのような活動内容に最も興味がありますか?

知識・教養を深める学習(講座・読書会):1,022件(22.1%)
趣味・特技を活かしたグループ活動:875件(19.0%)
地域の歴史や文化を学ぶ活動:739件(16.0%)

交流よりも“自己成長”や“学び”を求める傾向が強いことが特徴的です。

■ オンライン活動参加の最大の障壁は「情報不足」

オンライン活動の障壁として最も多かったのは、圧倒的に「どのような活動があるかわからない」(2,873件)でした。

Q. オンラインで社会活動に参加する上で、障壁となると感じるものをすべて選んでください。(複数回答)

活動内容の情報がない:2,873件
個人情報漏洩・セキュリティへの不安:1,923件
オンラインでは人間関係が希薄に感じる:1,639件

リアルでは「人間関係が重い」と感じる一方、オンラインでは「希薄さ」を不安とする、複雑なニーズが表れています。

今回の調査から、50代以上は従来型の社会活動には消極的であるものの、自身のライフスタイルを尊重しながら、負担の少ない形での学びやつながりを求めている実態が明らかになりました。

これは、50代以上が社会とのつながりを拒んでいるのではなく、“つながり方のミスマッチ” が起きていることを示唆しています。
社会的フレイル予防としては次の施策が重要です。

●活動情報の可視化と提供強化
  最大の障壁である“情報不足”の解消が必須。

●柔軟性の高い参加形態(非同期型)の提供
  掲示板・フォーラムなど、負担の少ない環境整備が効果的。

●学び・自己成長に焦点を当てたプログラム設計
  オンライン講座・趣味活動などへの関心が高い。

ジー・プランは、この調査結果を踏まえ、企業・自治体が50代以上の潜在ニーズを的確に捉え、負担なく参加できる新しいマーケティング活動・サービス開発を支援してまいります。

調査テーマ:
人や社会とのつながりに関するアンケート
調査方法:
インターネット調査
調査期間:
2025年11月8日~11月11日
調査対象:
全国の50代以上
有効回答者数:
10,614人

※本調査は、当社が運営するポイントサイト『Gポイント』の会員を対象にインターネット調査を実施しました。

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本記事の調査は、Gポイントの会員を対象にしたインターネット調査です。