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避難所生活への不安と、解決策のひとつ「在宅避難」への意識と課題【50代以上】

避難所生活への不安と、解決策のひとつ「在宅避難」への意識と課題【50代以上】

「災害への備え」と聞いて、まず何を思い浮かべるでしょうか。水や食料の確保、非常用持ち出し袋の用意などももちろん大切ですが、最も深刻な課題は「避難所生活そのもの」にあるかもしれません。

今回、50代以上の6,341名を対象に実施した「防災と備えに関するアンケート」からは、多くの方が避難所での生活に強い不安を感じている一方で、そこから身を守るための「自宅の安全対策」にはまだ隙がある現状が見えてきました。

 
※在宅避難は、自宅が安全な場所にあると判断でき、かつ避難所が混雑している場合などに選択肢となりますが、避難指示等が出ている場合はそれに従うことが最優先となり、本記事はそのケースにおいても在宅避難を推奨するものではありません。

 

■「避難所に行きたくない」が本音。衛生面やプライバシーへの懸念が顕著に

災害時や避難生活について「最も不安なこと」を尋ねたところ、「避難所での生活(プライバシー、雑魚寝、トイレ、衛生面など)」と回答した人が全体の約32%(2,046人)に上り、ダントツの1位となりました。
これは、「自宅の損壊や火災(約22%)」や「食料の確保(約11%)」よりも高い数値です。若年層と比べ、持病があったり、環境の変化でストレスを感じやすかったりと、年齢を重ねた身体にとって体育館などの避難所での生活は、精神的にも肉体的にも過酷な環境となり得ます。

「命を守るための場所」として大切であるはずの避難所が、「かえって体調を崩しかねない場所」としてマイナスのイメージを強く持たれている実態が浮き彫りになりました。

Q. 災害時や避難生活について、最も「不安」なことは何ですか。

■食料備蓄は「とりあえず3日分」が主流。必要なのは「自宅で安全に過ごす」ための備え

では、避難所に行かず、住み慣れた自宅で過ごす「在宅避難」をするためには何が必要でしょうか。

飲料水や食料の備蓄量を聞いたところ、最も多かったのは「2〜3日分程度(約37%)」でした。かつては「食料や水の備蓄は3日分」が目安と言われていました。しかしながら、大規模災害時には物流が長期間ストップする可能性があることや、特に、体力的に給水所へ並ぶのが辛かったり、持病の薬が必要だったりする場合、最低でも「1週間分」の備蓄が推奨されます。
ですが、そこまで準備できている人は約1割にとどまっています。

また、自宅を安全な場所にするために不可欠な「家具の固定(転倒防止)」を行っている人は約26%と、4人に1人程度でした。もし家具が倒れて怪我をしてしまえば、否応なしに避難所や病院へ行かなければなりません。「自宅で無事に過ごす」ための備えは、まだ十分とは言えないようです。

Q. 飲料水や食料の備蓄は、何日分程度用意していますか?

■「助けたいけど余裕がない」。体力面に不安があってもできる新しい「共助」の形

災害時には近所の人との「助け合い(共助)」が重要と言われますが、ここにも現代や50代ならではの課題が見えます。

共助についての考えを聞くと、「助けてはほしいが、体力的な不安などもあり自分から他人を助ける余裕はあまりない(約10%)」や、「自分も助けるのは難しいし、近所からの助けも期待できない(約16%)」といった、体力面や関係性の希薄化による「限界」を感じている人が一定数いました。
一方で、災害情報の入手手段として「スマートフォン」を挙げた人は約69%に達し、テレビやラジオと併用して活用している様子がうかがえます。

昔のように「力仕事で助け合う」ことは難しくても、SNSやアプリで安否を確認し合ったり、正しい情報を共有したりすることこそが、今の時代に合った新しい「共助」の形なのかもしれません。

Q. 災害発生時、近所の人との「助け合い(共助)」について、どのようにお考えですか?

無理な我慢より「メリハリ」を。健康を守るための“賢い選択”が主流に体力に頼らない備えを。「家具固定」と「ローリングストック」が安心のカギ

今回のアンケートで見えてきたのは、「避難所生活は避けたいが、自宅だけで長期間過ごす準備はまだ万全ではない」という50代以上の姿でした。

もし「うちは大丈夫」と思っていても、家具が倒れるようでは、そこはもう安全な自宅ではなくなってしまいます。まずは家具を固定して怪我を防ぐこと。そして、いつもの食事や日用品を少し多めに備蓄しておき、古いものから消費し、消費した分を買い足す「ローリングストック」で、無理なく1週間分の必要物資を確保すること。

年齢とともに体力や環境が変化していく中だからこそ、まずは日頃から「自宅を安全な場所にしておく」ことが、安心への一番の近道です。

調査テーマ:
防災と備えに関するアンケート
調査方法:
インターネット調査
調査期間:
2025年11月23日~25日
調査対象:
全国の50代以上
有効回答者数:
6,341人

※本調査は、当社が運営するポイントサイト「Gポイント」の会員を対象に実施しました。

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本記事の調査は、Gポイントの会員を対象にしたインターネット調査です。